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銀誓館学園高校2年生、メルディ・ファルス(b38551)のぶろぐさん。興味の無い方はターン推奨、ですよぅ。
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ぺらり、と小さな音を立てて、
ぶ厚い資料を顰めた顔で眺める。


冷気と温もりに曇る窓ガラスが、
なんだか自分の気持ちを表すように雫を垂らして、
―またふ、と視線を無理矢理逸らした。




ぎゅう、と唇を噛締めて、
小さな溜め息に不安を乗せて吐き出す。


誰かが戦わなければ、なんて分かってる。
それに、立ち向かわなければいけないのが、能力者達の使命ということも。
まだまだ、自分の力が其処まで及んでいないことも。


…―だから、待つことしか出来ないことも。


自分の大切に思う人たちが、危険な所で、命を脅かすものと戦う間、
自分はひとりで此処で待つしか出来ないことを、受け入れるしか出来ないなんて…―


―もしも、大怪我をしたら?

―もしも、何か大変な事が起きたら?



―もしも、…――――最悪の事態が起こったら?


もう数年前になる、土蜘蛛の依頼を思い出して、ひとりでソファーの上に縮こまる。

膝の上に押し付けた顔が、痛かった。
目の奥がじんじんと痛くて、小さく唸って。

上げた頬に触れると水分が指を濡らして、瞬きをするともっと増え。


(…―なんで泣くの。)
(これじゃ、わたしが皆を信じてないみたいじゃない。)

笑顔が好き、と言ってくれるから。
笑顔でいってらっしゃいを言って、笑顔で、皆を待って、
…そして、笑顔でお帰りなさいを言わなきゃ。

(笑え、わらえ、わらいなさい。)
(しあわせが、くるように。)
(神様、貴方のことが大嫌いだったわたしだけれど、)
(ひとつ、お願いを聞いてください。)


ぎゅう、と痛い位力を込めて指を組むと、
濡れた睫毛を伏せて、ぽつり、と呟いた。



(―どうか、皆を、守って下さい。)
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